初期化が必要な理由
Macを個人間取引で売却する前に、完全な初期化を行うことは売り手と買い手、双方を守る最も重要なステップです。初期化を怠ったまま出品・発送してしまうと、以下のような深刻なトラブルに発展する可能性があります。
- 個人情報の流出:メールの内容、ブラウザの閲覧履歴、iCloudに同期された連絡先・写真・パスワード、ログイン済みのSNSアカウントなどが新しいオーナーから見られる状態になります。
- アクティベーションロックの問題:iCloudのFind My Macが有効なまま売ると、購入者がMacを使い始める際に「アクティベーションロック」がかかり、前のオーナーのApple IDとパスワードがないと起動できない「文鎮」になります。これはフリマでの最大トラブル原因の一つです。
- ライセンスの問題:Adobe Creative CloudやMicrosoft Officeなど、アカウントにひも付いたアプリがそのまま残ってしまい、ライセンス違反になるケースがあります。
初期化は手間に感じるかもしれませんが、この記事の手順通りに進めれば30分〜1時間程度で完了します。安心して取引を成立させるために、必ず実施しましょう。
Step 1: iCloudからサインアウト(Find My Macをオフに)
最初に行うべきはiCloudからのサインアウトとFind My Macのオフです。この操作を行わないと、アクティベーションロックが有効なままになり、新しいオーナーはMacを使えません。
macOS Ventura以降の手順
macOS Ventura(13)以降では、Apple メニューから手順が変わっています。
- 画面左上のAppleメニュー()→「システム設定」を開く
- 左サイドバーの一番上にある「[あなたの名前](Apple ID)」をクリック
- 下部にある「サインアウト」をクリック
- iCloudデータ(メモ・カレンダー等)をMacに残すか確認画面が出る。売却する場合は「コピーを残さない」を選択
- Apple IDのパスワードを入力してサインアウトを完了する
この操作により、Find My MacとアクティベーションロックがiCloudサーバー側から自動的に解除されます。
macOS Monterey以前の手順
macOS Monterey(12)以前の場合は「システム環境設定」を使います。
- Appleメニュー → 「システム環境設定」
- 「Apple ID」をクリック
- 左下の「サインアウト」をクリック
- データの保存設定を確認し、「サインアウトを続ける」
Step 2: すべてのAppleサービスからサインアウト
iCloudからサインアウトした後も、個別のAppleサービスが独立して認証情報を保持している場合があります。以下のサービスからもサインアウトしておきましょう。
- iMessage / FaceTime:「メッセージ」アプリ → メニューバーの「メッセージ」→「設定」→「iMessage」タブ→「サインアウト」。「FaceTime」アプリも同様に「設定」から「サインアウト」。
- iTunes / Music / Apple TV:「ミュージック」または「TV」アプリ → アカウントメニュー → 「サインアウト」。これを忘れると、アカウントの承認済みコンピューター数が増え続けます(最大5台まで)。
- App Store:App Storeを開き、左下のサインインアイコン → 「サインアウト」。
サードパーティのアプリ(Adobe、Microsoft等)も、アプリ内の設定からサインアウトしておくとより安全です。
Step 3: macOS Ventura以降の「すべてのコンテンツと設定を消去」
macOS Ventura(13)以降では、「すべてのコンテンツと設定を消去」という非常に便利な機能が追加されました。iPhoneの初期化と同じ感覚で、Macを工場出荷状態にリセットできます。
- Appleメニュー → 「システム設定」
- 左サイドバーの「一般」→「転送またはMacをリセット」
- 「すべてのコンテンツと設定を消去...」をクリック
- Time Machineバックアップに関する確認画面が表示される(バックアップ済みなら「続ける」)
- Mac のパスワードを入力して認証
- 消去が開始される(15〜30分程度かかります)
この機能を使うと、データの消去・macOSの再インストール・アクティベーションロックの解除がすべて自動で行われます。Ventura以降のMacで売却する場合は、この方法が最も簡単かつ確実です。
注意:この操作は元に戻せません。大切なデータは事前に外付けSSDやTime Machineでバックアップを取ってから実施してください。
Step 4: macOS再インストール(リカバリーモードから)
macOS Monterey以前のMac、またはStep 3の機能が使えない場合は、リカバリーモードからの再インストールを行います。
Apple Silicon Mac(M1/M2/M4)の場合
- Macの電源を切る(Appleメニュー → シャットダウン)
- 電源ボタンを長押しする(「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで)
- 「オプション」をクリックして「続ける」
- 管理者アカウントのパスワードを入力
- メニューバーの「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」でストレージを消去(フォーマット:Mac OS 拡張ジャーナリングまたはAPFS)
- ディスクユーティリティを閉じ、「macOSを再インストール」を選択
Intel Mac の場合
- Macを再起動し、起動音と同時にCommand(⌘)+ Rを長押し
- Appleロゴまたはスピナーが表示されたら指を離す
- macOSユーティリティウィンドウが表示される
- 「ディスクユーティリティ」でストレージを消去した後、「macOSを再インストール」を選択
再インストールにはインターネット接続と1〜2時間の時間が必要です。
アクティベーションロックの確認方法
初期化が完了したら、アクティベーションロックが本当に解除されているかを確認しましょう。購入者がこの確認を求めてくるのは正当な要求です。
- iCloudで確認:ブラウザで icloud.com/find を開く → サインインしてデバイス一覧を確認。売却するMacが一覧に表示されていなければ解除済みです。
- Mac本体で確認:初期化後に再起動すると「ようこそ」のセットアップ画面が表示されれば成功。アクティベーションロックがかかっている場合は、ここで前のオーナーのApple IDを要求する画面が表示されます。
出品の際には、スクリーンショットを撮って商品説明欄に「アクティベーションロック解除済み」と明記すると、購入者の信頼度が大幅に上がります。
初期化後にやるべきこと(動作確認→出品)
初期化・再インストールが完了したら、出品前に基本的な動作確認を行いましょう。購入者が受け取った後に「動かない」と主張するトラブルを防ぐためです。
- 起動確認:電源を入れてセットアップ画面が表示されること、Wi-Fiに接続できることを確認
- ポート・端子の確認:USB-C(Thunderbolt)ポート、HDMIポート、イヤホンジャックなどに外観上の破損がないか確認。可能であれば実際に接続して動作テストを行う
- ファン・放熱の確認:5〜10分間の動画再生や計算処理を行い、異音・過熱がないかチェック
- 外観の正直な記載:傷・へこみ・汚れは写真に撮り、商品説明に正直に記載する
動作確認まで完了したら、いよいよ出品です。Mac Clawではスペックを正確に入力することで、AI用途のエンジニアが適正価格で購入してくれます。